第6話【うさぎアレルギー克服記.01】夫が発症!そのとき考えたこと
うさ育と子育てをテーマにぐり子がお届けする、ぐりコラム。
第6話の本日から数回のコラムにわたり、夫が5年前に「重度のうさぎ上皮アレルギー」を発症してから克服するまでの、わが家の体験記を紹介します!
アレルギー話vol.1の本日は、夫の症状や3人の医師の言葉や友人の前例を挙げ、愛兎どんちゃんとの暮らし、ペットとアレルギーについて考えたことをお伝えできればと思います。
※コラム内では広義的にどうぶつやうさぎを「ペット」と多く表現します
夫のアレルギー発症経緯
2015年3月 目鼻喉、呼吸の不調出現
2015年5月 ウサギ上皮アレルギーと診断
・おうちとカラダ対策スタート!
・内服薬と点鼻薬を使用
2015年8月 鼻腔を広げる日帰り手術
2016年3月 娘が誕生
・おうちとカラダ対策、加速
2015-20年 引っ越し3回
2020年現在 服薬なし、症状なし
※おうちとカラダ対策の詳細は次回以降のコラムで紹介します
発症後も変わらず、家族みんなで健やかに暮らしてるよ!
現在の夫は、服薬なしでもアレルギー症状は全く出ていませんが、日常的に対策は続けています。
発症!重度のうさぎ上皮アレルギー
5年前。どんちゃん6歳、夫35歳の頃。
夫の鼻水くしゃみ咳込みがひどくなり、特に睡眠時は鼻づまりとイビキがひどく、無呼吸状態になることもありました。
かゆい首や目を掻きまくり、寝起きの夫の目はまるで腐った魚の目のようにブヨブヨに濁って充血。あらゆる粘膜が悲鳴をあげた突然の発症!
「鼻や喉を何者かにずっと圧迫されてる感じ」と夫は表現していました。
こりゃうさぎアレルギーかイネ科の牧草アレルギーだろうと予想しつつA耳鼻咽喉科を受診。
アレルギー性の鼻炎と気管支炎を起こし、Max重度の「うさぎ上皮アレルギー、クラス6」との結果でした。
※アレルギー検査はアレルギー科はもちろんですが、呼吸器内科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科など、お子さまは小児科でも受けられます。アレルギーが原因じゃない場合もあるので、いちばん気になる症状にあわせて病院を選ぶといいですね。
どうぶつアレルギーの基本の検査項目は「犬猫」なので、「自宅にイネ科の牧草を食べるうさぎがいる」ことを医師に説明して、血液検査の項目を追加していく流れです。
うさぎ手放さないとあなた死ぬよ?
結果よりも驚いたのは、こう言った医師の言葉です。
「俺死ぬんだって〜あはは〜。どんちゃん手放すわけないし。それにしても薬って高いね〜」
と、笑いながら報告してくれた夫と結婚して、どんちゃんを一緒に育ててきて、ほんとうによかった。(鬼嫁の目にも涙…笑)
情けなくて悔しい!
医師の言葉を聞いたとき、わたしはとにかく悔しかった!
夫をアレルギーにした嫁として情けなくて悔しい。愛しいどんちゃんの親として悔しい。うさ飼いとして悔しい!
こういう医師の言葉を真に受けて「手放さなければいけないんだ」と思い込み、自分に言い聞かせてしまい、ペットを捨てる人がいるんだ!と感じて、とても悔しかったのです。
※医師の言葉について後述あります
うさぎ(命)は手放しません
うさぎの生体アレルギーとか、どんちゃんアレルギーじゃない!
除去回避しなくちゃいけないアレルゲン(原因物質)は、命そのものじゃないし、どんちゃんとのハッピーな暮らし、じゃなーい!!
正確には「ウサギ上皮アレルギー」でしょ?
上皮って皮膚とかフケとかたんぱく質とか、
要は毛にくっついてくる諸々でしょー!
花粉やハウスダストアレルギーの人たちが、それらが完全にゼロな環境で暮らすことは不可能でも、それぞれの工夫や治療をしながら共存しているんだから。
「どんちゃんの毛とのつきあい方」を変えていこう!
おうちとカラダの面で、できるかぎりの工夫しよう!と決心しました。
「もしも」を想像してみる
もしも、夫があの時、どんちゃんを手放したいと言ったら…?
誰よりも心身が苦しいのは夫。うさぎを飼いたいと言い出したのはわたし。そんな立場で一体どう説得できるでしょうか?
わたしはどんちゃんを連れて別居をしていたかもしれません。
もしも、娘がアレルギーを発症して、夫とわたしが「あなたの健康のために、どんちゃんとバイバイしようね」なんて言う親だったら…?
娘は全力で泣いて怒って反対して、わたし達に「大嫌い!うそつき!」と言うはず。
4歳の子どもでも、どうぶつや虫を大切に慈しむ心はもっているし、その心はカンタンに傷つきます。
誰でもアレルギーは起こり得る
いま、うさぎと暮らしている人たち。
(現時点では未発症のわたしも娘も含めて)
これから、うさぎをお迎えしたいなあと考えている人たち。
きちんとお迎え前にアレルギー検査を済ませて、その時は陰性だった人たちも。
誰でも、いつでも、うさぎ上皮アレルギーの発症は起こり得るのです。
明日かもしれないし、1年後10年後かもしれないし、お迎え初日かもしれません。
そんな「もしも」を想像してみてください。
どうか、大切に守りとおしてほしいのです。
・どうぶつの命を迎えた責任を
・ご自身のカラダも心も
・ペットも含めた家族全員のカラダも心も
・ペットと暮らすこの上ない幸せも♪
3人の医師の言葉
A.うさぎ手放さないとあなた死ぬよ?
先述したA耳鼻咽喉科の医師の言葉。当初は悔しくて衝撃的でしたが。
それくらい夫のアレルギーは重度だったし、患者の回復を願い、健康を守る医師の立場としては「正当だった」と、現在のわたしは思い改めています。
B.ペットも家族だからね
B耳鼻咽喉科の医師。
「ペットも家族だからね。奥さんと協力して掃除がんばってね〜」
夫はここを主治医に選びました。
C.まさかペット捨てるの?
C小児科の医師。
娘の長引く咳の診察時。血液検査ついでにアレルギー検査も可能か聞いたとき。
「うさぎ?検査してどうするの?まさかペット捨てるの?(眼光ギラッ)」
こんな先生もおるんや!とわたしは嬉しく思いながら、事情を説明して誤解を解きました。
C医師は、子どものアレルギーを機にペットを手放そうとする親を、多くみてきたのかもしれません。あの眼光には「またか」という怒りや呆れを感じました。
医師によってペットへの理解や経験が違う
B医師とC医師は、ペットと暮らしているか、過去に暮らした経験があるのかな?と思います。
「ペットも家族の一員」ということに理解があって、ペットとアレルギーとの共存を前提とした言葉。
治療方針も、「うさぎは手放さない暮らしが前提の治療」と「アレルゲンのうさぎを手放さないかぎり良くなるわけないよ前提の治療」では、大違いだと思うのです。
あらゆる情報の中から、自分に合う正しい情報や病院を選ぶことが、回復への第一歩になるかもしれません。
アレルギーでもペットと暮らす人たち
わたしの身近には、アレルギーを理由にペットを手放した人はひとりもいません。
尊敬できる友人たちの前例があったおかげで、夫が発症しても迷わず向き合えたと思っています。
赤ちゃん子どもがうさぎアレルギーでも
(ぐりコラム第1話に登場した)
友人宅のうさぎのハルちゃん。長男くんが1歳のときにうさぎアレルギーを発症。
「速攻ルンバ買ったよー」と笑う友人が素敵だった!
長男くんは5歳、ハルちゃんは10歳で天寿を全うするまで家族仲良く暮らしました。
猫アレルギーでも
猫ちゃんと暮らした友人。夫と同様、重度な猫アレルギーを発症。
徹底した掃除、ゴーグル、マスク、常に長袖、手袋をしながらの介護生活。
猫ちゃんの旅立ちのとき、友人はアレルギー防具をすべて脱いで、腕の中で看取りました。
十数年前の話だけど、わたしは今でも忘れません。
夫はどんちゃんのお世話もします
アレルギー発症前も後も、夫とどんちゃんはラブラブの仲。
可愛がるだけじゃなく、お世話もします。
わたしが出産で入院していたときも、先に寝落ちしてしまった夜でも(よくある)、どんちゃんのへやんぽも掃除もとても丁寧にしてくれるので、安心しておまかせすることもあります。
なおこ先生のコラムは必読
うさぎLifeの新しいコラムニストなおこ先生は、うさぎアレルギーを発症して(元.皮膚ただれナースさん笑)劇的に克服されています!いろいろ目からウロコ!
「飼い主さんの健康」という視点から、専門的なことをわかりやすくおもしろく伝えてくれるコラムです。
誰かの「もしも」に届きますように
どこかの誰かの「もしも」のうさぎアレルギー発症のとき、すこしでもお役に立てますように。
ぐりコラムは「シンプルライフ」を軸にして、うさぎアレルギー対策に関するコラムを数回にわけて掲載予定です。