人間の行動変化で起きた、大久野島のうさぎさんの変化

ようやく行動制限などが解除され、感染対策をきちんとしながらにはなりますが、すこしずつ色んなところに出かけられるようになりましたね。

私たちもやっと、我慢していた大久野島遠征を再開させることができました。

このような世の中になり始めた一年以上前にも、県をまたぐ移動の自粛により長期で大久野島に行くことが出来ず、久しぶりに行った時のうさぎさんの変化を書かせてもらっていました。

重なる部分もありますが、合わせてお読みいただければと思います。

行けなかった3か月半での変化 ≪大久野島のうさぎさん≫

2020/7/18記

今回、またまた3か月ぶりの大久野島遠征となりましたので、私たちが感じたうさぎさんの行動変化を、少しでもお伝え出来ればと思います。

人を見て逃げ出す

観光客が増加し、食べ物をもらうのが当たり前になり・・・

人を見ただけで、とりあえず「ごはん♪ごはん♪」と駆け寄ってくるようになっていたうさぎさんたち。

それが今回、足音や人影で逃げて行くうさぎさんが増えているように感じました。(特に山側のうさぎさん)

10年以上前のまだ「あまり観光客が多くなかった頃」のうさぎさんを見たような気がして、私たちはちょっと嬉しい気持ちになりました。

茂みの中から飛び出してこなくなった

これまでは、一見うさぎさんが居ないように見える道も、人が通るとどこからともなくうさぎさんが現れて食べ物を催促されるというのが、このところの「当たり前」だったのですが・・・

今回は茂みの中に居る子達が、そばを歩いてもそのまま出て来ずに思い思いに過ごしていることが多かったんです。

ちょっとした物音や気配にびっくりする

カラスなど鳥の声や羽ばたく音を聞いて逃げるというのは、以前(10年ほど前まで)は普通に見られる光景でした。

年々観光客の増加し、それに伴いそういった「気配」に反応しないうさぎさんが増えていたように感じていました。

おとなになればなるほどその傾向は強かったのですが、近年では仔うさぎさんですら逃げない子がたくさんいたのです。

ですが今回は、おとなうさぎさんもカラスの声に反応して木陰や巣穴に隠れる場面を何度も見ることが出来ました。

※気配を感じ、一斉に警戒態勢になっているうさぎさんたち

人の気配に逃げ出す山側の子達はもちろんですが、広場などで寛いでいるうさぎさんたちも反応していたんです。

これについては、もしかすると「大きな鳥」が飛ぶだけで逃げるというアナウサギの本能が戻ってきているのかもしれないと考えています。

ネズミを一匹も見なかった

3か月ぶりの上陸となった10月上旬の5日間滞在した中で、一度もネズミの姿をみることがありませんでした。

一度も見ないことなんて、ここ10年ほどはなかったかもしれません。

近年、人の持ち込んだ野菜やペレットが余り、それを食べることでネズミがどんどん増えていました。

増えたネズミたちは、仔うさぎさんを襲ってしまうことも・・・(実際に目撃したことがあります)

この問題はとても深刻だと考えていたので、余った食べ物を置いておかないようにと長年呼びかけさせて頂いておりました。

休暇村のスタッフさんもご協力くださったり、うさぎさんを愛する有志の方が島に行かれて回収をしてくださる方もいらっしゃいます。

うさぎを愛する方のお力もあり、減ってきていたのですが、やはりそれでも観光客が多い時期には「生ごみ」と化した持ち込んだ食べ物が多くみられました。

ですが、このコロナ禍のおかげといってはいけないのでしょうが・・・

長期にわたった行動制限による観光客の減少で、いわゆる「置きえさ」が減ったことが関係していると思います。

おとなうさぎさんも昼間に巣穴で過ごすようになった

アナウサギというのだから、普段から巣穴に戻って寝るのでしょう。と、色んな方に聞かれ・・・

「そうでもないんですよ」とお答えしておりました。

実際以前の「大久野島のうさぎさん」たちはアナウサギなのに大人になったらほとんど巣穴では暮らさず、主に子育てに利用し、暑い時間帯に避難するために利用する程度だと感じていました。

ですが今回、長時間巣穴前で撮影していたところに、それまで見かけていなかったおとなうさぎさんがその巣穴からひょっこり顔を出す瞬間に、何度も遭遇しました。

きっと「本来の巣穴の使い方」をしているのではないかと私たちは思っています。

私たちに出来ること

大久野島のうさぎさんたちは、人間の行動に影響を受けながら生活をしています。

それは・・・歴史を紐解けば、初めから・・・だったのかもしれません。

ですが、人の行動に影響を受けずに彼らなりの生活リズムで暮らしていける日がくれば、このような観光客の激増激減に一喜一憂しなくてもすむと思うのです。

そのためには、私たち人間はどのように関わるのが正解なのでしょうか。

私たちは「うさぎさんたちを尊重し、本来持ち合わせた能力を最大限生かして暮らせる環境に整えること」なのではないかと思うんです。

※自然の葉っぱを見つけてお食事中^^

私たちの考え方がすべて正しいとは思っていませんが、人間に翻弄されないうさぎさんになって欲しい・・と心から願っています。

 

うさぎ写真家uta

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うたお(中村隆之)と、うたこ(中村麿矢)二人でうさぎ写真家utaとして活動しています。 2000年より大久野島のうさぎさんの写真を撮り続けています。 20年...

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