Vol.3 健康回復へのベクトル

コラムを始めたばかりなのに、しばらくお休みをして、ご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした。
私の持病のために新しく始めた治療の反応が、想像以上に大きかったこともあって、
少しの間、仕事を中止させていただいておりました。

体調とうまく付き合いながら、このコラムも進めさせて頂きたいと思いますので
これからも、どうぞよろしくお願いいたします♪

うさぎアレルギーと分子栄養学

さて今回は、実際にどのようにして「うさぎアレルギーの克服に至ったのか」という話をしたいと思っているのですが
これは結構ディープな内容でもあります。
というのは、あの17年以上前の話だけでは終わらない、今も探求し続けて発見が多いトピックでもあるからです。

しかしながら、まずは当時の話を遡ってみましょう~♪

当時から、私は健康に関する様々な書物を読み漁っていましたが、1回目のコラムで書いたように、
分子栄養学との出会いから、その扉が開いていきました。

分子栄養学とは物理学者である故三石巌氏が提唱したものですが、それはいったい何ぞや?という方もいますよねw
それを知るためには、その元になっている「分子生物学」について、ちょっと歴史を遡ってみましょう~♪

「DNA」や「RNA」というものを、聞いたことありますよね?
かつて理科や生物で習ったという方もいるかと思います。
私が生まれる約20年前、1953年にワトソンとクリックによってDNAの二重らせん構造が発見され、
それはそれは科学界に大センセーショナルを引き起こしました。

ちょっとちょっと~!
私たちの身体って、DNAっていう設計図をもとに出来てるんですってよ~!!

ってな感じ★

そこから分子生物学が本格的に開花していきました。要は、遺伝子(ゲノム)ってやつですね。
そのミクロの世界を紐解いて、遺伝子組み換えも、ゲノム解析も、発展してきたわけです。

物理学の手法というのは、モノを小さく小さくパーツに分けて、その中にルールを見出していきます。
こういうやり方を「要素還元主義」と呼んだりします。
(要素還元主義については次回以降にまた語ります~)

物質はすべて原子からできていて、その規則性をもとに並べたのが周期表ってやつで…
うん、なんか、昔習った記憶ありますよねw

そうやって物理学から分子生物学も発展していったんですね。
細胞があって、分子があって、原子があって、電子があって・・・とういふうに。

なんや!生物も、ちっちゃく分解しちゃえば、物質の集まりじゃん!と。

物理学者である三石巌氏は、その分子生物学をもとに、
「遺伝子が壊れていなければ、必要な材料を身体に入れてあげれば、設計図通りの身体になっていくだろう」
という仮説を立て、それを実践(実験)し、分子栄養学というものを確立した素晴らしい方です。

私が最初に出会ったのは
三石巌著 「医学常識はウソだらけ~分子生物学が明かす「生命の法則」~」(初版1997年)
という本でした。今読んでも、学ぶことが多い本です。

そこで、早速、身体に必要な材料を入れることをはじめました!
その頃、三石巌氏はすでに他界されていましたが、彼の理論に則ってつくられた栄養補完食品(サプリメント)を販売する会社もあったため、そこに問い合わせて利用させて頂きました。

三石巌氏の分子栄養学の3本柱は、
❶高タンパク ❷高ビタミン食(メガビタミン) ❸活性酸素の除去

ここでは、その詳細は省かせて頂きますが、簡単にいうと
❶身体の構造の基本でもあるタンパク質をたくさんとること!
❷身体の働きがスムーズになるために必要なビタミンは、必要量が1人の人間でも100倍くらい変化するから
これも、常にたくさんとること!
❸そして、活性酸素が様々な細胞ダメ―ジを起こすため、それを除去する物質を効果的にとること!

当時の皮膚ただれナースの私の身体は、材料であるタンパク質やビタミンは圧倒的に足りない状況でした。
そのため、サプリメントでこれを補うことによって、顕著に回復していったのです。
3か月ほどで目立つただれは消失。
その後も残っていた手の甲や口の周りの炎症も1年ほどで消失したのでした。

もちろん、これだけではなく、もともと日常生活では基本的に食品添加物はとらない、
身体に使う化粧品類も天然材料のものだけを使う、水にもこだわる、
潔癖に近いほど掃除魔だったので埃やうさぎの毛などが少ない住環境でした。
しかし、それは分子栄養学を実践する前からでしたので、
「当時の私」にとっては分子栄養学を用いた実践がベストの方法だったのだと思います

それでは、今、私が分子栄養学を実践し続けているかといえば「否」です。
また、今、うさぎアレルギーに悩む人がいて相談された場合、
それを勧めるかといえば、それも「否」の可能性が高いと思います。

えっ!? なんでっ!?

ひとつの方法だけでは到達できない健康

これは、決して分子栄養学を否定している訳ではありません。
分子生物学にも傾倒し、分子栄養学もマニアックに調べ、長年実践もしてきました。
物理学的に、細部にまで分解して考えることもたくさんあります。

結論からいうと
情報量も、手のうちのネタも増えたことによって、より多くの選択肢の中から選ぶようになった」
という感じかもしれません。

私は、先天的・後天的な様々な病気をもっています。
また、不思議なことにめちゃめちゃドジでケガも多いんです(決して自慢になりませんが…)。
これは、結合組織(骨・靱帯・筋肉など)の問題を抱えていることとも関係しているとは思います。
そして、心身ともに超高感度人間です(最近はHSP:highly sensitive person と呼んだりしてますね)。
とくに化学物質には敏感。

何がいいたいかといいますと…
「結構複雑で何かとケアに手がかかるという特徴を持った人間」だということです。

そんな私は、複合的な身体の問題を常に抱えている状況にあります。
例えばここでいう分子栄養学的視点で足りないものを補うということをやり続けて、
うさぎアレルギーは治りましたし、他にも調子が良くなった症状もありました。
しかし、回復しないもの・悪化しているもの・新しいもの、などもあるのです。

数え上げたらキリがありませんが、それを治すべく、今までたくさんのことをしてきました。
そこで学んだことを、これからみなさんにシェアしていきますが、
今回お伝えしたいポイントは、健康回復へのベクトルは多様性に満ちている!ということです。

回復へのベクトル

ものごとを整理するとき、2軸で考えるマトリクス分析というものがあります。
以下の図は、有名なスティーブン・R・コヴィー「7つの習慣」の緊急性と重要性の2軸のマトリクスを描いたものですが「重要だけど緊急性がないもの」が大事だよ~というのが、視覚的にわかるようになっています。

これはただマトリクスを説明するためだけのものですが、
健康もマトリクスの図で考えるてみると少しわかりやすくなります。

以下の図は、二軸の項目はあえて書いていませんが、ここでは私たちの身体はいろんな方向に偏りやすいということが理解できればよいです。


「偏った自分」というのは本来のその時のベストの自分(ベストの健康レベル)からズレている状態のことで、それは人によってみな異なります。
そしてそれに影響するのは、本来のその人の特質・食生活・住環境・睡眠状態・精神状態など、様々なものが影響するのです。
また「その時」というのも重要で、人生のステージによる違いもあれば、季節による違いもあるし、これも様々です。

ここでの一番のポイントは「偏った自分」の位置が異なれば、当然ながら健康回復へのベクトルの方向性も大きさも異なるということです。
それは、方法論が変わるということでもあります。例えば、同じうさぎアレルギーという健康問題を抱えている人がいても、人によってやり方・進め方を少し変える必要があるわけです。
矢印がクネクネしているのも、一直線で回復するわけではなくアップダウンを繰り返すことも多いからです。

この視点を持っているのと持っていないのとでは、かなり違いますよ~★

みんなおんなじ人間だけど、みんな顔が違う。
そのように、基本的な身体のルールはみんなおんなじだけど、個別性がとってもあるもの。
その個別性(多様性)を知って、それぞれに合ったやり方でベストの健康レベルに向かうように
心から願っていますし、そのお手伝いが少しでもできれば幸いです。

 

竹原直子

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看護師国家試験対策講師・ケアマネジャー試験対策講師・ ヘルスカウンセラー・空間デザイナー・グラフィックデザイナー 株式会社インスパイアード プロデューサー ...

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